特に小林は2016年から4年連続リーグトップの盗塁阻止率をマークし、他球団の評価が高い。正捕手が固定できない楽天日本ハムだけでなく、セ・リーグの球団からも『小林を使わないならほしい』と聞きます。エース・菅野智之から絶大な信頼を寄せられてバッテリーを長年組んでいましたが、昨年の菅野は大城とのコンビで最多勝、最高勝率、リーグ最優秀選手(MVP)に輝きました。小林の存在感が明らかに薄れています」(在京スポーツ紙デスク)

 過去にも春季キャンプ後にトレードが敢行されたケースはあった。18年3月に阪神・榎田大樹と西武・岡本洋介のトレードを両球団が発表。阪神で伸び悩んでいた榎田は西武で4月から先発ローテーションに入り、11勝4敗、防御率3.32の大活躍で10年ぶりのリーグ優勝に貢献した。

 もちろん、小林の評価が巨人の中で決して低いわけではない。ある投手は絶大な信頼を口にする。

「盗塁を刺してくれるというのは大きな安心感です。走者を過度に気にせず、打者に集中できるから打ち取れる可能性も高くなります」

 確かに打撃を考えれば大城に見劣りするが、小林の鉄砲肩は他の捕手にない大きな魅力だ。巨人で正捕手奪回を目指す今季はどんな運命が待ち受けているだろうか。(牧忠則)

※週刊朝日オンライン限定記事