左から、小野リサ、大西順子、坂本美雨 (撮影/写真部・張溢文)
左から、小野リサ、大西順子、坂本美雨 (撮影/写真部・張溢文)

 村上春樹の呼びかけで急きょ、結成されたバンド「ボサノヴァ・ガールズ」。「春樹さんの依頼でびっくりした」という小野リサさん、大西順子さん、坂本美雨さんが鼎談。「多くの人の“心”の救いになるかも」と、コロナ禍での音楽の可能性を語り合った。

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坂本美雨(以下、坂本):私たち3人は2月14日のバレンタインデーに、村上春樹さんがプロデュースする「MURAKAMI JAM」に参加するわけですが、大西順子さんと小野リサさんはいままでに共演されたことは。

大西順子(以下、大西):リサさんとは初めてです。とても楽しみです。

小野リサ(以下、小野):私もワクワクしています。

坂本:音楽監督の大西さんは、村上春樹さんとどんな話し合いをされたのでしょう。

大西:最初はジャズクラブ、ブルーノート東京の中にあるバーで打ち合わせをしました。春樹さんはすでにボサノヴァをやることは決めていたみたいです。でも、私はボサノヴァのエキスパートではないでしょ。そこでリサさんの力を借りたい、と。私にはレギュラーバンドのドラマーとベーシストがいますが、春樹さんはスタン・ゲッツがお好きなので、ボサノヴァの名盤「ゲッツ/ジルベルト」のゲッツの役割をしてくれるテナーサックスを加えました。

坂本:春樹さんは伝記『スタン・ゲッツ 音楽を生きる』を翻訳されていますね。

大西:すると、さらに春樹さんが、ボサノヴァにはフルートも必要だ、と。それでフルート奏者も探して(笑)。

小野:今回のお話をいただいたとき、作家の村上春樹さんとボサノヴァが頭の中でなかなかつながりませんでした。

坂本:不思議に感じられますよね(笑)。

小野:あの村上春樹さんからのご依頼だと知って、びっくりして、その後喜びがこみ上げてきました。

大西:リサさんの参加が決まり、曲選びをしてくれたので、とても助かりました。その選曲をベースに、春樹さんと打ち合わせができたので。リサさんに歌っていただく曲、一緒に参加してくれるクラシックギタリストの村治佳織さんにお願いする曲、そして美雨さんが歌う曲を選んでいきました。

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