鼻うがいを紹介する動画サイトから。詳しくは「鼻うがいチャレンジ」で検索を
鼻うがいを紹介する動画サイトから。詳しくは「鼻うがいチャレンジ」で検索を
鼻うがいのやり方 (週刊朝日2021年2月12日号より)
鼻うがいのやり方 (週刊朝日2021年2月12日号より)

 新型コロナの家庭内感染が増え、自宅での感染対策がますます重視されているが、新型コロナにも花粉症にも有効な手段として、日本病巣疾患研究会理事長で堀田修クリニック院長の堀田修さんが奨励するのが「鼻うがい」だ。

【鼻うがいの詳しいやり方はこちら】

「ウイルスや花粉は、のどちんこの上にある上咽頭にくっつく。そこでウイルスは感染を、花粉はアレルギー反応を起こします。それらをまとめて防ぐのが鼻うがいです」

 生理食塩水で上咽頭にある異物を洗い流す鼻うがいでは、ウイルス感染やアレルギー発症を防ぎ、新型コロナや花粉症を予防できる。一般的な口うがいでは、上咽頭の異物は洗い流せないという。

 欧米では風邪やアレルギー性鼻炎の治療法の一つとして鼻うがいが実践されていて、季節性コロナなどによる風邪や花粉症への有効性を示した研究論文が報告されている。

「鼻うがいはウイルスや花粉を洗い流す作用のほかに、上咽頭にある、異物排除にかかわる細胞の繊毛の機能を高めたり、炎症によるむくみを取ったりするなど、さまざまな効果が認められています。また鼻うがいに使う塩水がウイルスの増殖を抑えることも報告されています」(堀田さん)

 鼻うがいのやり方は左の通り。鼻に水を入れるとツンとして痛いというイメージもあるが、あの症状は浸透圧からくるもので、体液より濃度が薄い場合に神経が刺激されて痛みが出る。体液(0.9%の濃度)より濃い1%以上の食塩水を使えば、痛くないそうだ。

 感染やアレルギー反応にはタイムラグがあるので、1日に何度もする必要はなく、1~2回で十分だという。点鼻薬を使っている人は薬を使う前に鼻うがいを。花粉症の症状が強い人は食塩水の濃度を2%程度に濃くすると効果が上がる。

「家庭内感染を防ぐために、家でもマスクの着用が推奨されていますが、家族全員が鼻うがいをすれば、ある程度の感染は予防できると考えています。家庭内感染予防の一つの手段としても役立ててほしいです」(同)

次のページ