“狂言界の若きプリンス”野村太一郎と落語界の重鎮・桂文珍(撮影・太田サトル)
“狂言界の若きプリンス”野村太一郎と落語界の重鎮・桂文珍(撮影・太田サトル)
狂言を披露した野村太一郎(左)(C)吉本興業
狂言を披露した野村太一郎(左)(C)吉本興業
漫才を披露したミキ(C)吉本興業 
漫才を披露したミキ(C)吉本興業 
漫才を披露した中川家(C)吉本興業
漫才を披露した中川家(C)吉本興業

 落語×狂言×漫才―--。それぞれ違う時代に生まれ、独自の発展進化を遂げてきた3つの話芸が融合するイベント「『狂宴御芸~狂言お笑い共宴~』公演&取材会」が1月30日、東京・銀座の二十五世観世左近記念観世能楽堂で開催された。

 今回の公演は、故・五世野村万之丞の息子で現在は野村萬斎に師事する“狂言界の若きプリンス”野村太一郎の活動を吉本興業がサポートすることになり、そのお披露目となったもの。

 この狂言と吉本の共演は落語界から重鎮・桂文珍が「商社殺油地獄」を、狂言界からは野村太一郎に加え、高野和憲や岡聡史ら「万作の会」の面々が「佐渡狐」と「蝸牛」を、さらに中川家、ミルクボーイ、ミキの3組の実力派が、能楽堂の舞台で初となる漫才を披露した。

 さらにオープニング、エンディングなどには京都フィルハーモニー室内合奏団が演奏するなど、これまでの壁を崩すような取り組みが随所にみられた。

 公演終了後に文珍と太一郎による取材会が行われたが、太一郎は今回の公演を、狂言での世界で流派などの垣根を超えて同じ舞台で競い合う「立ち合い」になぞらえ、「今日は話芸の立ち合いなのかなと思い、つとめました」と語った。

 文珍もこう手応えを語った。

「異なるジャンルの方とお仕事ができる緊張感と期待がないまぜになっておりましたが、面白い色合いや化学反応が出たような思いです」

 狂言と吉本というコラボについて、文珍はこう続けた。

「私ども吉本の笑いが大好きという方が、狂言に触れて、こんなに楽しい世界があるんだと。また、狂言が大好きな方に、吉本のお笑い、けっこういけるやないのって思っていただけるような。お互いがいい関係を持てるようになれればよろしいかなと思います」

 太一郎もこう語った。

「古典、伝統芸能としての笑いと、最先端の笑いの融合という意味でも、お互いに新たな客層を獲得していければいいなと個人的には思っております」

 野村太一郎のサポートを行うことについて、文珍はこう語った。

次のページ
キンコン・西野の退社もネタ?