林:すごくきれいで、画面を圧倒してましたけど、前向きでチャキチャキのおばあちゃんで、すごくおもしろかったです。

大地:うふふ、気丈な人でしたねえ。

林:でも、やっぱり大地さんは舞台がお似合いですよね。

大地:自分が本来いるべき場所、みたいな感覚はありますね。舞台で育ってきて、宝塚退団後のキャリアも舞台でスタートしましたから。映像も好きですけど、やはり舞台のほうが圧倒的に多いですし、落ち着きますね。

林:宝塚を退団したあと、舞台とかドラマで活躍なさる方はたくさんいますけど、大地さんみたいにそのあともずっと主役をなさる方は、まずいませんよね。

大地:本当にありがたいです。退団してから35年、宝塚の初舞台から入れると47年ですかね。

林:その間ずっと主役というのは、前人未到というか、ギネス世界記録になりそうなぐらいすごいことだと思いますよ。

大地:そう言っていただけると、うれしいです。

林:相手役の方はどんどん若くなっていくわけですよね。昔からの相手役の男性も、そのままの人気と体力を維持するのって難しいんじゃないですか。「そうですね」とは言いづらいかもしれないけど(笑)。

大地:そうですかねえ……。確かに相手役の方は若くなってますね。

(構成/本誌・松岡かすみ 編集協力/一木俊雄)

大地真央(だいち・まお)/1956年、兵庫県生まれ。宝塚歌劇団月組トップスターとして活躍。85年の退団後、女優に転身。舞台や映画、ドラマなど数々の作品で活躍。最新主演舞台「ローズのジレンマ」は、2月6~25日、シアタークリエ(東京)で上演。4月から林真理子さん原作のドラマ「最高のオバハン 中島ハルコ」(フジテレビ系オトナの土ドラ)で主演を務める。

>>【後編/大地真央、美の秘訣は「午前中」にあり? 朝のルーティンを明かす】へ続く

週刊朝日  2021年2月5日号より抜粋