週単位で移動しながら地下鉄駅構内に店を出している鼻毛脱毛専門店「ekibana 3分エチケット」。施術は3~7分/同店提供
週単位で移動しながら地下鉄駅構内に店を出している鼻毛脱毛専門店「ekibana 3分エチケット」。施術は3~7分/同店提供

 コロナ禍でマスクをしない人を私的に注意する「マスク警察」や、自粛しない店を取り締まる「自粛警察」が話題になってきた。そこに新たに「鼻毛警察」が出始めた。

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 その「取り締まり」にあったのが、ホリエモンこと実業家の堀江貴文さんだ。1月初旬、堀江さんが北海道・ニセコにスキーに行った際、自身のツイッターに《ニセコ最高!》と自分の顔を大きく写した写真とともにつぶやいたところ、

《鼻毛飛び出しとるがな!》

《とりあえず手で鼻毛ぬいちゃいましょう!!》

 などと、鼻毛が出ていることを指摘する声が集まった。

 鼻毛警察はどんな人物なのか。本誌は堀江さんの鼻毛を指摘した会社員の男性(38)に話を聞くことができた。男性はこう語る。

「あれだけ有名な方が楽しいことをツイッターで共有しているのだから、鼻毛を指摘して盛り上げないと失礼だと思いましたね。画像から『早く鼻毛のことを突っ込め』と聞こえてきましたから」

 堀江さんはメルマガで「小学校のクラスでいつも人の粗探しをして喜んでいた男子などいたと思うのだが、それと同じような人たちが溢れている」と不快感をあらわにしている。

 鼻毛が出ていることで人に迷惑をかけることはないし、余計なお世話という見方もあるが、人のを見るとつい気になってしまうのもたしか。

 しかし、そんなに鼻毛が伸びている人は多いのだろうか。

 鼻毛脱毛専門店ekibana3分エチケットの渡辺優弥社長がこう話す。

「コロナの影響で鼻毛が出てしまう人が増えていると思います」

 鼻毛はほこりっぽいところにいると伸びやすいとされるが、最近はコロナの影響でマスクをしているため、伸びやすい環境にはない。にもかかわらず、なぜ増えているのか。

「今はマスクで隠せるので油断している人が多いのでしょう。人と会う営業の方でもマスクを外さないと失礼ということはないですからね。ひげをそらずにそのままでいる人も見掛けます」(渡辺社長)

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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