※写真はイメージです (GettyImages)
※写真はイメージです (GettyImages)
税務署から目をつけられやすい例 (週刊朝日2021年1月29日号より)
税務署から目をつけられやすい例 (週刊朝日2021年1月29日号より)
主な所得控除の種類 (週刊朝日2021年1月29日号より)
主な所得控除の種類 (週刊朝日2021年1月29日号より)

 2月16日から恒例の「確定申告」が始まる。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で給料や収入の減った人も多いが、税金は待ったなしで引き去られていく。それでも、申告時に知っていれば“損”をしなかったケースも多い。その道のプロ、元国税職員に税金を取り戻す方法を教えてもらおう。

【表】ビットコインなど仮想通貨の利益も注意! 税務署から目をつけられやすい例はこちら

 払いすぎた税金は戻ってくる。一定額を超える医療費や介護費がかかったり、寄付をしたりした場合などが対象だ。

 取り戻す場合、過去5年分までさかのぼっていつでも申告できる「還付申告」もあるが、今回は間もなく始まる確定申告について学んでおきたい。

 確定申告は、所得の合計などをもとに課税金額を確定させるもので、対象となるのは自営業者らだ。ただ、2カ所以上の会社から給料をもらっている場合や、給料以外の「雑所得」が年20万円を超える場合は、会社員らも申告しなければならない。

 確定申告のメリットは、払いすぎた税金を取り戻せるだけではない。課税対象となる所得が減れば、それに連動して住民税や社会保険料も下がる。新型コロナで収入が減った人も多いが、家計の負担を減らすことになるのだ。

 実際に取り戻すには、どんな方法があるか。

 専門家の多くが勧めるのが、「扶養家族」を増やすことだ。扶養する家族がいると、収入から経費を引いた所得から、さらに「扶養控除」として1人につき38万~63万円を差し引くことができる。

 元国税調査官の松嶋洋税理士は「扶養の対象は『生計を一にしていること』が条件ですが、実家にいる親や下宿中の子どもなど、離れて暮らしていても仕送りをしていれば当てはまる場合があります」と話す。

 扶養の対象は、16歳以上で年間所得が48万円以下の場合。年金暮らしの高齢者は原則65歳未満だと108万円以下、65歳以上だと158万円以下となる。

 扶養控除といった「所得控除」は、決まった控除額の分だけ、税額計算のもとになる課税所得が減る。そして、戻ってくるお金の目安は、控除の額に、所得に応じて決まっている所得税率を掛け合わせた額となる。

著者プロフィールを見る
池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

池田正史の記事一覧はこちら
次のページ