すべてのステージの患者の治療に有効で、変異株にも強靱(きょうじん)な対応が可能だろうと北教授は言う。

 5-ALAの研究開発をする製薬会社「ネオファーマジャパン」(東京)のチーフサイエンティスト田中徹さんは、高い期待を寄せる。

「1月14日(日本時間)、5-ALAのサプリメントを用いたコロナ患者に対する症例報告が、プレプリント(査読前の論文)で公表されました。世界中の研究者の目に留まることになるでしょう。今回公開された症例の一つは、救急搬送されて集中治療室(ICU)で人工呼吸器につながれた患者さんが、5-ALA投与3日で人工呼吸器を離脱し、一般病棟に移られました。これは通常では考えられない回復と言えるでしょう」

 前出の北教授もこう話す。

「高い安全性で、安定供給(国内工場での製造)も可能、価格も適切。一日も早く治療のための認可を受け、多くの患者に投与できるようにしたいです」

 市販の風邪薬のように、簡単に入手できる日が来ることを期待したい。(本誌・大崎百紀)

※週刊朝日オンライン限定記事