一方で、WHO(世界保健機関)は中国製ワクチンの緊急使用承認に向けた手続きを開始しているとも報じられている。中国人コンサルタントはこう話す。

「中国ではすでに約1000万人がワクチンを打っている。副反応は100万人に一人くらいと、ニュースでも言っています」

 日本政府は、アメリカのファイザー社、イギリスのアストラゼネカ社が開発したワクチンの供給で合意している。そこには中国製ワクチンは含まれていない。コロナ治療にあたる、ある大学病院の医師はこう話す。

「例えば、ファイザー社のワクチンは、マイナス75度で保管し、解凍して投与する。有効期限は2週間ほどと聞く。扱いがむつかしい。だが、中国製のシノファームのワクチンは、2度~8度の低温で保管できる。それゆえ、中国以外の国でも緊急承認で使用がはじまっていると思う」

 しかし、日本では未承認の薬を当事者以外に販売すると、医薬品医療機器等法に抵触する可能性もある。接種を受けた社長の携帯電話を鳴らし、再度取材した。

「コロナがこれだけ拡大して、政府は無策。自分の身は自分で守るしかないやろ。私は呼吸器の疾患があり、コロナなったら、ほんまに、危ないんや。何もしないでコロナに感染するより、1回3万円で2回で6万円の未承認のワクチン打つことを選んだってこと。これが違法やと国は責めることができるんか」

 社長は現在のところ副反応はないという。厚生労働省によると、新型コロナウイルスのワクチンに限らず、未承認薬を日本国内に持ち込むには 輸入許可が必要だという。

「海外の未承認薬を日本で使用する場合、本人に限り、一定の分量なら許可を受けて持ち込むことは可能です。当然、自己責任となります。コロナワクチンの場合、1個であっても許可が必要です。それを人に譲ったり、販売、広告をすれば薬機法に触れる可能性がある」(厚生労働省医薬・生活衛生局 監視指導・麻薬対策課)

 中国人コンサルタントはスマートフォンを取り出し、スケジュールアプリに載っている接種を希望している人の予定リストを見せてくれた。

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リストには著名人の名前も…