左上から時計回りに、岩手にある「アーベイン八幡平」のリビングにある暖炉、四国の「ケアハウスあさがお」の眉山を望む開放的なお風呂、大平原に立つ「アーベイン八幡平」の外観、鹿児島の「ケアハウス光の海」の外観(提供)
左上から時計回りに、岩手にある「アーベイン八幡平」のリビングにある暖炉、四国の「ケアハウスあさがお」の眉山を望む開放的なお風呂、大平原に立つ「アーベイン八幡平」の外観、鹿児島の「ケアハウス光の海」の外観(提供)
移住者を受け入れる各地域のお薦めケアハウス (週刊朝日2021年1月22日号より)
移住者を受け入れる各地域のお薦めケアハウス (週刊朝日2021年1月22日号より)
移住者を受け入れる四国のお薦めケアハウス (週刊朝日2021年1月22日号より)
移住者を受け入れる四国のお薦めケアハウス (週刊朝日2021年1月22日号より)
移住者を受け入れる九州のお薦めケアハウス (週刊朝日2021年1月22日号より)
移住者を受け入れる九州のお薦めケアハウス (週刊朝日2021年1月22日号より)

 コロナの影響で増加している東京都からの転出。年金だけで暮らせる高齢者ホーム「ケアハウス」でも地方移住が注目されている。介護福祉士でもあるライターの栗原道子さんが、その実態を明かす。

【一覧表】移住者を受け入れる各地域のお薦めケアハウスはこちら

 筆者は「年金で暮らせる住まい」をテーマにした塾を11年間、開催し、約800人の塾生を送り出したが、コロナ禍の2020年冬、かつての塾生から地方移住の相談を受けた。

 82歳のAさんは、7年前に神奈川県内の有料老人ホームに入居金を1千万円支払い入居。20万円の月費が銀行口座から毎月、引き落とされるが、それ以外にも個人で交通費、医療費、日用品代、携帯電話代など計3万~4万円の出費がある。要介護になったらさらにお金がかかる。

 Aさんは月々にもらう年金と預金から寿命が90歳という計算で今のホームに入居したが、栄養管理された食事のせいか、家にいたころより健康になった。他の入居者をみても、90歳を超えても元気な人が多い。

「このまま長生きしたら、お金が続かなくなる。コロナの問題もあるので、元気なうちに、年金で暮らせる北海道のケアハウスに移りたい」(Aさん)

 総務省の住民基本台帳人口移動報告によると、緊急事態宣言発令後の20年5月、今の方式で集計を始めた13年以降、東京都で初めて転出超過に転じた。7月以降は5カ月連続で転出が超過し、神奈川、埼玉、千葉など近隣各県への転出が多い。

 今回でケアハウス特集は第4弾となるが、掲載後、読者から手紙が切れ目なく届くようになった。昨年秋には都内に住んでいた87歳と86歳のBさん夫妻から「これまで有料ホームの記事を集め、実際に見学もしてきたが、年金で暮らせるケアハウスの存在を知り、紹介してほしい」と相談があったのだ。

 だが、都内のケアハウスは待機者が多い上、コロナ禍でリスクもある。

 本誌でも紹介した神奈川県相模原市にあるケアハウス「グレープハウス」をBさん夫妻に薦めたところ、1月末に空室が出るので見学に行くという。

週刊朝日  2021年1月22日号より抜粋