「菅野は日本でナンバーワンの投手だよ。結果も内容も圧倒的でメジャーでも十分に通用する。ただ、彼は31歳と決して若くない。メジャー挑戦した日本人投手の年齢を見ると、ダルビッシュ有(パドレス)、田中将大(ヤンキースからフリーエージェント=FA)は25歳、前田健太(ツインズ)、菊池雄星は27歳だ。球団は獲得の際に勤続疲労や、これからピークを迎えるかなども配慮しなければいけない。コロナ禍で球団の経営状況は苦しい。菅野の年齢を考えると、各球団は長期契約で例年のような金額や出来高を出すのはハイリスクと考えたのだろう」

 菅野の評価が低いわけではない。順調にいけば、来季中に海外FA権を取得する。米国メディアの報道が正しければ、巨人と4年契約を結んでもオプトアウト権を保有しているため、メジャー挑戦に向けての障壁はなくなる。来オフの去就が気になるところだ。

「新型コロナウイルスが来年中に収束するとは思えないし、メジャーの各球団の経営状況は来オフも厳しいままだろう。菅野も32歳と年を重ねるので今季の成績が落ちたら評価も下がってしまう。もちろん良い投手であることは変わらないが、思ったような好条件を提示する球団が現れない可能性もある。メジャーで投げている姿を見たいが、プレーするとは断言できないね」(前出の米国スカウト)

 今年も巨人でプレーすることが決まった「日本のエース」。来オフの動向も注目される。(牧忠則)

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