御厨貴さん(右)と林真理子さん (撮影/写真部・張溢文)
御厨貴さん(右)と林真理子さん (撮影/写真部・張溢文)
御厨貴 (撮影/写真部・張溢文)
御厨貴 (撮影/写真部・張溢文)

 上皇さまの天皇退位をめぐる有識者会議で、座長代理を務めた政治学者の御厨貴さん。後継者問題や眞子さま結婚など今の皇室が抱える問題について、作家の林真理子と語り合いました。

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林:今、SNSをはじめとして、皇室の方に関しても下品なことがネットにいっぱい出るようになって、ゆゆしき事態ですよね。美智子さまが今どのようにお心を痛めていらっしゃるかと思うと、本当に心が痛みます。国民が、ごく普通のこととして皇室を敬っていたころに戻ってほしいです。

御厨:上皇さま、天皇陛下、皇嗣殿下、この3代を世の中の人がどううまく受け入れてくれるか、宮内庁の側にはそのための戦略がまったくないんです。事が起きないことがいちばんいいんだけど、事が起きたときに系統的に対処することができない。今の宮内庁の幹部は外務省出身か警察庁出身で、天皇がどうあるべきかということについては専門外なんです。

林:いま、宮内庁の職員数は1千人ぐらいですが、戦前の宮内省は6千人ぐらいいたんですよね。省から庁になって、明らかにマンパワーが足りないと思うんです。お金だって、秋篠宮家も家族が何人もいらしてあの金額だったら、批判されるほどじゃないと思います。

御厨:秋篠宮がお住まいになっているところなんて、かつての皇太子、今の天皇陛下が住まわれていたところに比べると、決してそんなに素晴らしいところではないですからね。

林:言いづらいかもしれませんけど、先生は、眞子さまはどうしたらいちばんいいと思われますか。

御厨:うーん、ここまでねじれちゃいましたからねえ。もし結婚を認めないということになったら、眞子さまはおそらく独身でいらっしゃることになるでしょう。しかし、このまま例の方(小室圭さん)と一緒にしていいかというと、これはまたこれで禍根を残すような気がします。今のところちょっと解答が見つからないですね。

林:私は、眞子さまが「結婚は私たちが生きていくために必要な選択」とおっしゃるなら、一緒になることは仕方がないと思うんですよ。ただ、小室さんの借金問題とか、結婚までの道のりには解決しなければならないことがたくさんありますから、一刻も早く借金を返してすっきりさせて、国民の気持ちをなだめる。そして眞子さまは一時金を受け取らずに一女性として結婚され、結婚後は夫婦とも皇室行事には一切出ない。これならみんな納得するんじゃないでしょうか。昔だったら、相手の方が外国に行ったらあきらめがついたんでしょうけど、今はネットでつながれますし、難しいですよね。

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松岡かすみ

松岡かすみ

松岡かすみ(まつおか・かすみ) 1986年、高知県生まれ。同志社大学文学部卒業。PR会社、宣伝会議を経て、2015年より「週刊朝日」編集部記者。2021年からフリーランス記者として、雑誌や書籍、ウェブメディアなどの分野で活動。

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