久美子氏は今後どうするのか。彼女のブログを見ると「今後は、インテリアや住まいに関係する分野でのコンサルティングの仕事を中心に家具・インテリアの情報発信をしながら、大塚家具を側面サポートしていく」という。コンサルティング会社を立ち上げ、来年から本格的に稼働する予定だ。しかし、前途は多難だ。

 あるコンサルタント会社の幹部は「久美子さんに仕事を依頼したいと思うかと聞かれると、疑問」と切り捨てる。社長に就任してから一度も黒字を達成することなく、辞任。15年に発表された中期経営計画を見ても、想定の甘さを感じたという。

「失敗体験を語る“しくじり先生”のような形なら需要はあると思います。『こうしたら良くない』という教訓はたくさんあるでしょう。そこは多くの経営者が聞きたいと思う。もしくは、人脈もあるでしょうから、優秀なブレーンを集めて自分の得意な分野を生かすようにすれば、会社としてはうまくいく可能性がある」(前述の幹部)

 久美子氏に今後について取材を申し込んだが、「まだ準備中のことが多く、取材は当面見合わせております」とのこと。

 2021年、“家具屋姫”は飛躍の年となるか。

(本誌・吉崎洋夫)

※週刊朝日オンライン限定記事

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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