マスクも安値競争?の上野アメ横(撮影・高鍬真之)
マスクも安値競争?の上野アメ横(撮影・高鍬真之)
箱売りを始めた都内のあるコンビニ(撮影・高鍬真之)
箱売りを始めた都内のあるコンビニ(撮影・高鍬真之)

 2020年も年の瀬に迫った。そこで、AERA dot.上で読まれた記事ベスト20を振り返る。

【写真】都内のコンビニではマスクの箱売りも

 11位は「マスクバブル崩壊! 4大スポットではついに50枚入りで千円台も  アベノマスク配布はたった4%」(5月10日配信)だった。(※肩書年齢等は配信時のまま)

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 高値バブルがはじけ、コンビニなどにも出始めたマスク。なかでも、今最も大量にマスクが売られているという「4大マスクスポット」と呼ばれる地域では、値段もさることながら、質も選べる状況になりつつある。こうなると、466億円かけていまだに行き渡らないアベノマスクは、もはや血税を浪費するだけでは? 最新のマスク事情を追った。

「うちですら、中国産だけでも段ボールで500箱以上、枚数にすると180万枚ほどの在庫を抱えています。これからは、シャープ、アイリスオーヤマなど日本産のマスクもどんどん出回ります。お客さんは多少高くてもそちらを欲しがるでしょう。中国産が千円台半ばまで下落するのは時間の問題です」

 こう話すのは、東京都新宿区のJR新大久保駅周辺の複数の韓国系ショップにマスクを納品している雑貨問屋のNさん。中国産はすでに大量に市中に出回り、安くしないと売れない段階に入ってきているという。

 大型連休(GW)の5月4日、駅周辺の様子を見に行くと、大久保通り沿いの韓国コスメ店では、4月に50枚入り1箱3800円(値段は以下、すべて税込み)だった三層構造・不織布使用の中国製マスクが、2790円と約3割も値下がりしていた。

 近くの通称・イスラム通りへ行くと、ある店では同じような商品が1箱2400円に。透明のポリ袋に入れただけのバルク品は2200円だった。パキスタン人の店員に話を聞くと、

「これは知り合いの中国人バイヤーが持ってきた中国製です。ここまで値段を下げないと、もう誰も買ってくれない」

 と日本語で説明してくれた。

 4月との違いは価格だけではない。マスクの箱の文字は、英語から日本語表記のものが主流になっていた。

「200円、300円高くても、日本語で印刷された箱に入ってる方が2倍以上売れます。やはり安心感があるんでしょう」(同店員)

 今ではこの周辺の多くの店舗でマスクが大量に売られている。選択肢も増え、ほとんどの店がいつでも手に取れるようサンプルを置き、品定めができるようにしている。

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4大マスクスポットで最安値はどこ?