吉越さんが飼うチビ太(5歳、オス)。駐車場の脇で鳴いていたところを保護した。当時は推定生後2カ月で痩せていたが、今はまん丸だ(吉越さん提供)
吉越さんが飼うチビ太(5歳、オス)。駐車場の脇で鳴いていたところを保護した。当時は推定生後2カ月で痩せていたが、今はまん丸だ(吉越さん提供)
飼い猫との出会い (週刊朝日2020年12月18日号より)
飼い猫との出会い (週刊朝日2020年12月18日号より)

 コロナ禍で外出が減った今年、と過ごす時間が増えた人も多かったのでは。そこで本誌は猫の飼い主にアンケートを実施し、200を超える回答から読者と猫との関わりを調査した。結果からは、多くの人が抱く将来への不安が見えてきた。

【読者大アンケート!飼い猫との出会いは?】

>>【前編:猫との出会い、もはやペットショップは少数派 保護猫の底なしの魅力】から続く

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孤独を癒やし家族の絆をつなげる猫たち。一方で、猫を飼うことには様々な困難が付きまとう。特に飼い主が高齢の場合、愛猫の将来が不安になる。アンケートで「飼い主が高齢でいつ緊急入院するかわからない場合、猫をどうするか心配か」と問うと、52%が「はい」と答えた。

 では、飼い主たちは「不測の事態」にどう備えているのか。「もし飼い主が病気災害などで飼い猫と離れなければならない時はどうするか」という質問に対しては、<信頼できる知人に頼む><家族に頼む>といった回答が多数を占める一方、<考えたくない><困ってしまいます>と、具体的なプランが描けていない人もいた。

 アンケートに応じた福島県須賀川市の吉越美絵さん(61)も、いざという時のことを心配する一人だ。現在6匹を飼っているが、5年前、最後に保護したチビ太については、同居する高齢の母から飼うことを反対されたと話す。

「動物が大好きな母ですが、『私たちに何かあったら面倒を見切れない』と言って、別のもらい手を探そうとしていました。でも、まだ生後2カ月ほどのチビ太が熱を出すと、治療するうちに情が移ってしまった。今ではチビ太が母に一番懐いて、母が面倒を見ています。お年寄りは面倒を見られるよりも、見るほうが元気になるのかもしれません」

 幸い、近くに娘が住んでいるため、いざという時には猫の世話を頼んであるという。

 東京都清瀬市で人と動物に関わる問題を検討する「動物問題を考える会」の立ち上げに関わった「きよせボランティア・市民活動センター」の星野孝彦センター長が話す。

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