持ち前の目立ちたがり屋、サービス精神旺盛な性格もテレビ向きだった。バラエティー番組で何度もお世話になったという、制作会社のディレクターがこう振り返る。「頼むと『ダメです』と断られたことはありませんでした。放送作家が考えた、ありえない霊視、無理難題でも『良いですよ。やりましょう』と、いつも楽しそうに二つ返事。しかも頭の回転が良く、名だたる芸人に負けないくらいアドリブが効く。だから現場では重宝したんです」

 今の時代では、考えられないようなこともやってくれていたという。

「例えば、古いトンネルの写真。極端な話し、光の加減で樹木の影でも人や動物に見えなくはない。そうしたら、番組側の意図を察して、視聴者が興味を引くようなコメントを真剣な表情で語り、身ぶり手ぶり、大げさな除霊ポーズで決めてくれる。そりゃ、テレビ映えしますよね」

 かくして一躍、霊能ブームの立役者になった。

 さらに90年に公開され大ヒットしたハリウッド映画『ゴースト~ニューヨークの幻』にも少なからず縁があるという。

「まだ脚本もできてない頃ですから、88年とか89年の初めの頃でした。ホテルニューオータニで『ゴースト』のプロデューサーに、何度か幽霊だとか霊能者の話をさせていただいたことがありましてね。映画公開後、『それを下敷きにしてウーピー・ゴールドバーグさんが黒人霊媒師役を演じている』と、通訳してくれた日本人コーディネーターから教えてもらいました。ゴールドバーグさんの役名、覚えてます? “オダ・メイ・ブラウン”。脚本家が私に敬意を払い、“オダ”とつけてくれたそうです」

 ことの真偽は不明だが、映画の役どころを見ると、うなずける気がしないでもなかった。

 その後は、人気バラエティー「とんねるずの生でダラダラいかせて!!」(日本テレビ系)にレギュラー出演し、ドラマや映画、Vシネマでも活躍。著書も多い。

 だが、羽振りの良さと豪放磊落(らいらく)な性格は、一方で脇の甘さも生んだ。

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