ソフトバンクの武田翔太=昨年10月10日(C)朝日新聞社
ソフトバンクの武田翔太=昨年10月10日(C)朝日新聞社
オリックスの榊原翼=7月10日(C)朝日新聞社
オリックスの榊原翼=7月10日(C)朝日新聞社

 エースが抜けるとなれば、最大の懸案事項となる。セ・リーグを連覇した巨人だが、今オフは菅野智之がポスティングシステムを利用してメジャー挑戦することが確実視されている。今季はプロ野球新記録の開幕13連勝を飾るなど14勝2敗、防御率1.97。3度目の最多勝、初の最高勝率(8割7分5厘)を獲得した。入団以来、大黒柱として稼働してきた8年間の貢献度は計り知れない。

【写真】「ポスト菅野」としてトレードが期待されるパ・リーグの投手はこの選手

 菅野の代わりを務められる投手は日本球界でそうそう見当たらない。その菅野との争いを制して沢村賞を受賞した中日大野雄大はフリーエージェント(FA)権を取得して去就が注目されたが、シーズン最終戦後に早々と残留を表明している。

 そこで注目されるのが、パ・リーグで本来の力を発揮できていない投手たちだ。スポーツ紙の遊軍記者はこう分析する。

ソフトバンクが日本シリーズで巨人に2年連続4連勝と圧倒的な力を見せつけたように、セ・リーグとパ・リーグの力の差は明らかです。パ・リーグでは戦力構想の中で優先順位が低くても、セ・リーグなら十分に通用する選手が少なくない。今年のシーズン途中に高梨雄平、ウィーラーを楽天から緊急補強したように、トレードで即戦力の先発投手の獲得に動く可能性は十分にあると思います」

 筆頭候補として名前が挙がるのが、ソフトバンクの右腕・武田翔太だ。高卒ルーキーの2012年に8勝(1敗)をマークし、15年は13勝6敗、16年も14勝8敗とエース格の活躍をしていたが、背番号を「18」に変更した18年から精彩を欠いている。同年は4勝9敗(1セーブ)と大きく負け越し、今季も7試合登板のみで2勝2敗、防御率6.48。クライマックス・シリーズ、日本シリーズのメンバーからも漏れた。

 前出の記者は、こう評価する。

「武田は自信を失っているように感じるが、素材は一級品。縦に割れるドロップカーブを使うセ・リーグの投手は少ない。ソフトバンクは先発ローテーションの層が厚いのでなかなかチャンスはないが、まだ27歳と若い。他球団にいけば、2桁勝利は十分に勝てる能力がある」

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