石井ふく子(撮影/写真部・小黒冴夏)
石井ふく子(撮影/写真部・小黒冴夏)
石井ふく子さん(右)と林真理子さん (撮影/写真部・小黒冴夏)
石井ふく子さん(右)と林真理子さん (撮影/写真部・小黒冴夏)

「肝っ玉かあさん」「渡る世間は鬼ばかり」など数々のヒット作を世に出し、戦後日本のお茶の間にテレビのホームドラマを浸透させた石井ふく子さん。94歳の今も現役で活躍しています。作家・林真理子さんとの対談で、「渡る世間は鬼ばかり」の誕生秘話や新作の構想などについて語りました。

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林:私、このあいだ同一雑誌のエッセー最多掲載回数でギネス世界記録に認定されて喜んでたら、先生はなんとギネスの記録を三つも持ってらっしゃるんですね。テレビ番組の最多プロデュースと、世界最高齢の現役テレビプロデューサーと、初演舞台の最多演出本数。だから今日は自慢もできないなと思って(笑)。

石井:いいえ、大したことないです。ここまであっという間でした。

林:今年は親友の橋田壽賀子先生も文化勲章を受章されて良かったですね。皆さんコロナにもめげず大活躍で。

石井:来年、「渡る世間」(TBSドラマ「渡る世間は鬼ばかり」)をやるんです。本当は今年10月にやることになってたんですけど、コロナで撮影ができないので、来年に延ばしてやるつもりでいます。3時間番組で。

林:安心しました。来年も石井先生と橋田先生のゴールデンコンビがお仕事をなさるんですね。橋田先生、「安楽死したい」なんておっしゃってるけど、お元気じゃないですか。

石井:だからいつもケンカになっちゃうんです。「年中病院に行ってるのに、そんな話をすることないじゃない」って言うと、黙っちゃいます。

林:来年の「渡鬼」、どうなるか楽しみです。

石井:今、コロナでいろんなことが変わってきましたでしょ。このあいだも、ある方から「粗品」って書いた箱をいただいたんです。和菓子にしちゃ軽いなと思って開けたら、マスクだったんです。こういう時代なんだなと思って。

林:すると今度の「渡鬼」にもコロナが出てくるわけですか。

石井:出てくると思います。岡倉家の姉妹の中で旅行会社で働いているのもいるし、食べもの関係の「幸楽」とか「おかくら」は、自粛で出前が多くなってきてるだろうし、いろんなことがあると思う。あんまり深刻にはしないようにしようと思ってますけどね。暗く終わりたくないですから。

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