敗れた師匠は「今年はもう(師弟戦は)ないと思っていた。序盤は予定の作戦だった。(藤井二冠は)この半年でタイトルを二つ取っている。(対局して)成長を感じました」と話した。

 対局後のインタビューにそう答えた2人は、その直後から感想戦へ。言葉少なに、駒音を響かせながらいつまでも対局を振り返った。時折、笑顔を見せながら盤上で語り合い、「2人の世界」を堪能しているようだった。
 
 師匠は本誌のインタビューで藤井二冠の強さの秘密についてこう語っていた。

「藤井がやっていたことは非常に地味で非効率的で好まれない研究法です。それを楽しみながらしつこく考えていけるのが藤井の強さの秘密なんですね。藤井がそういう勉強法を採用していることを知って、同業者としてかなり衝撃を受けました」
(本誌 鈴木裕也)

※週刊朝日オンライン限定記事