愛らしい写真満載の『ずっとだいすきシャンシャン』(日本パンダ保護協会編、朝日新聞出版)が発売中 (c)朝日新聞社
愛らしい写真満載の『ずっとだいすきシャンシャン』(日本パンダ保護協会編、朝日新聞出版)が発売中 (c)朝日新聞社
パンダ (c)朝日新聞社
パンダ (c)朝日新聞社
JR上野駅のシャンシャンツリー (撮影/鈴木裕也)
JR上野駅のシャンシャンツリー (撮影/鈴木裕也)

 シャンシャンが中国に返還される。名残惜しむ人々は上野動物園に詰めかけるが、コロナ禍の影響で入園は予約制、移送日程も未定だ。「さよなら」の不完全燃焼ムードも漂うが、カンカン・ランラン以来パンダを愛する上野の人々はめげない。

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 愛くるしいシャンシャン。3年前、誕生したときは上野の街をあげてのフィーバーとなったが、お別れが近づくなか、街はお別れイベントには積極的になれずにいる。コロナ禍が影を落としているのだ。

 11月中旬、平日にもかかわらず、上野動物園前には予約入場の客が行列していた。100メートル以上にも及ぶ行列は予約入場時間ごとに仕切られ、さまざまな年代の客が入場を待っている。

 パンダのイラストが描かれたマスクをしていた60代の女性は「癒やされに来た」と言う。

「シャンシャンが中国に帰るまではできるだけ会いに来たい。なにしろ、生まれたときから見てきたんです。もうわが子以上に私の子っていう感じ。いなくなるって思っただけで涙が出る」

 リモートの授業をサボって来たという女子大生コンビは10月28日の「パンダの日」にも入園申し込みをしたが、残念ながら入場できなかった。満を持して会いに来た。「シャンシャンがいない上野動物園なんて想像できない。どうしてもお別れが言いたくて、来ちゃいました」

 同行したお友達もパンダ好きを自認。「返還しないでずっと上野にいられるようにしてほしかった。今日は見納めです。写真を撮りまくるつもり」

 当の上野動物園も、シャンシャンとのお別れを思い出にするイベントを企画中。ウェブサイト上に「花ひらけパンダの未来~ありがとうシャンシャン~」特設ページを開設し、未公開映像を紹介。園内のショップでは、シャンシャンのイラスト入りのマグカップ「サンキューマグ」、「パンダ缶プチクッキー」「パンダもなか」を限定発売。シャンシャンのハート形のメッセージ付きマスコットを通販などで販売している。18日からは、中川翔子が歌うメモリアルソング「ありがとうシャンシャン」のCDとDVDが園内で販売スタート。

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