(問2)新型コロナウイルスの感染拡大により、皇室関連行事も延期や中止を余儀なくされ、人々と直接触れ合う機会が減少しました。一方で、ご一家ではオンラインを積極的に活用し、専門家による御進講や、国民との交流を続けられました。オンラインを活用して感じた手応えと課題についてお聞かせください。また、このような時代において、皇室が果たしうる役割や活動のあり方についてどうお考えでしょうか。

殿下 そうですね。このコロナ禍において、私の生活も今までとは大きく変わりました。今までであれば何か式典があったりとかするときには、もちろん東京都内もありますし、それからほかの県で行われればそこに赴き、そしてその式典ないし主たる行事以外にもその地域に関連する所を訪ねていろいろと見聞する機会がありました。しかしながら、このように感染症が多くなっている時期には、人が特に多く集まるような催物というのはできません。

そうするとやはり、まず考えられることというのはオンラインになるわけですね。例えばある催物が現地で行われないときもありますし、それから規模を縮小して行われることもあります。そういうときに行く予定であったものについてやはりどういったものかという話を聞いておくというのは大切なことだと思います。そういうときに現地とつないで、画面上ではありますけれども説明を聞くことが幾度かありました。また、このCOVID-19について、私、それから私の家族も理解を深める必要があると感じていましたので、これも関係者は東京都内でないこともありますので、そういう人たちから度々にオンラインで話を聞きました。ある意味、非常にこういうときにあって有効な手段だと思いますし、何といっても顔が見えて電話と違ってですね、顔が見えてそれでお互いにやり取りをすることができるというのは、非常に便利であると考えます。

 しかし一方で、対面で話すのとは少し違う、どこかに大きなタイムラグというわけではないのですけれども、ちょっとした時のやり取りに難しさを感じることはあります。またある程度の、例えばシンポジウムのようなものの場合に、まだオンラインだけならいいかもしれないんですが、今後はおそらく対面というかリアルなものとオンラインとの両方をハイブリットで行うということが結構多くなってくるのではないかなと思うんですね。

 私も僅かな経験ですけれども、自分はWEB上で参加していたわけなんですけれども、やはりその時に実際の会場にいる人たちと、それから画面で参加している人間とで、ちょっとした温度差があるなと。そういう辺り、今後工夫の余地が多分あるのではないかと思いますし、もちろん使っているシステムによって使い勝手が違うとか、ただ段々に私たちもそういうことに慣れていくのではないかと思っています。

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「結婚することを認めるということです」