国会議員の平均年収は、2200万円。すでに当選して1年以上となる案里被告は、3000万円ほどの歳費を受け取っている。

 案里被告は弁護士費用と10月に保釈された際、保釈保証金1200万円を納付したが、12月になれば、国会議員の冬のボーナスが支給され、今後は受け取る歳費がさらに増える。

 連座制の裁判は上告も可能なので、あと1年ほど確定までに時間がかかりそうだ。そうなれば、6000万円ほどの歳費を受領することになる。

「案里被告は裁判費用もかさみ、地元広島の事務所も経費削減のため、閉じている。公職選挙法違反(買収)の裁判は有罪、実刑判決もありうる。そうなると、ますますカネが必要だ。議員バッジを失うと、格安の議員宿舎も住めない。夫の克行氏も徹底抗戦するだろうから弁護士費用もかさむ。歳費を返せと言われると、たちまち困窮するのではないか」(自民党幹部)

 案里被告には失職にだけでなく、多額の歳費返還という試練が待ち受けているようだ。

(今西憲之)
※週刊朝日オンライン限定記事