ただ、ふたりの結婚が華々しい門出となるかは不透明だ。秋篠宮さまは、金銭トラブルを解決しないまま家と家の儀式である納采の儀は行えない、という立場をとってきた。

 実際、結婚に関わる一連の儀式には高額な費用が要る。結納にあたる納采の儀では、小室家の親族がモーニング姿で清酒、白い絹のドレス生地、鮮鯛といわれる鯛の代金を納めなければいけない。納采品の絹生地は、内親王や女王の結婚を祝う晩餐会や披露宴のドレスに仕立てられてきた。

 おまけに当初挙式が予定されていたのは、05年に結婚した黒田清子さんと同じ帝国ホテル。黒田夫妻のときは、式は親族だけの神前結婚式であったが、披露宴は120人が出席。費用は非公表だが、ウェディング業者の資料で同ホテルでの挙式を見積もると700万円前後とみられる。内親王の式となれば、はるかに費用はかさむ。

 内親王の結婚としては異例だが、一切の儀式を行わない結婚、いわゆる「地味婚」も現実的な選択だ。

 皇室典範によると、女性皇族は皇室会議を経なくても入籍は可能だ。

「一連の儀式は、親族から皇室への使者をたて、金銭面でも小室家に相当な負担がかかる。皮肉なことに、納采の儀を行わず入籍だけの地味婚としたほうが、ご本人方の状況にかなってさえいる」(前出の秋篠宮家の事情に詳しい別の人物)

 もう一つの課題は、結婚にあたり眞子さまに拠出される1億円を超える一時金の扱いだ。民間に出た女性皇族の品位を保つことが目的の支度金。受け取るのが当然だが、状況によってはさらなる非難を招きかねない。

 宙に浮いた一時金の扱いについては、こんな策もある。

「宮内庁トップが集まり、天皇家のお手元金の経理を代行する内廷会計審議会という非公式の組織がある。秋篠宮さまが皇嗣となったいま、そうした場所に一時金を預け、身ひとつという覚悟で結婚するのもひとつの方法でしょう」(皇室に詳しい関係者)

 振り返れば、当時、兄よりも先に結婚したと非難さえうけた秋篠宮ご夫妻の新婚生活は、乳人官舎として建てられた築60年近い木造平屋で始まった。「若くして結婚したのだからスタートは地道に」というご両親の親心だったと言われている。ふたりの結婚への道のりも、平坦ではなさそうだ。

(本誌・永井貴子)

※週刊朝日12月11日号より