巨人に独走を許したセ・リーグの5球団は目の色が変わるだろう。ある球団の打撃コーチは、こう声を弾ませる。

「143試合のシーズンで200イニング近く投げて15~20勝する投手がいなくなるんだから、そりゃでかいよ。でも、こちらにとってみれば大きなチャンス。来年は混戦になってどのチーム優勝する可能性がある」

 スポーツ紙のデスクは懸念する。

「巨人が深刻なのはスケールの大きい若手投手が少ないこと。日本シリーズで4連敗したソフトバンクには千賀滉大、石川柊太、救援陣も杉山一樹、松本裕樹、椎野新と、150キロを超える直球で勝負できる投手がゴロゴロいるのと対照的です。菅野という絶対的エースがいなくなれば、大型連敗の危険性をはらんでいる。優勝どころかBクラスもあり得るし、次のエースが育つまでは我慢のシーズンが続くかもしれない」

 菅野の抜けた穴をどう埋めるか。リーグ3連覇に向けて最大の懸案事項になりそうだ。(牧忠則)

※週刊朝日オンライン限定記事