コロナだから開票所だって換気が大切。窓を開け放しで開票していて、大風が吹いてきたらどうしよう。「わーっ! 飛んでっちゃったっ!(泣)」「ここに置いてあった3千票、また最初から数え直しかよ」みたいな「ドミノあるある」は勘弁。みんなドンドン無口になっていくしね。

『郵便投票』って到着がかなり遅れる地域もあるらしい。期限はあるだろうけど、そんなに遅れるってどういうことだよ? ことによるとヤギなんじゃないか? ヤギさん郵便? 「シロヤギさんたら開票所に届けずに食べちゃった」みたいな? となると、そのヤギたちの便を採取して、ザルにとって、水でゆすいで、そのなかの未消化の投票用紙の紙片を繋ぎ合わせて、一票一票紡いでいくのか……。

 物凄い地道な作業をされる方に頭が下がる。指の傷口にヤギの便をすすいだ水が入ると大変です。キズパワーパッドを忘れずに、民主主義万歳。

春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。YouTube 「春風亭一之輔チャンネル」ぜひご覧ください! アーカイブもいろいろあります

週刊朝日  2020年12月4日号

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春風亭一之輔

春風亭一之輔

春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/落語家。1978年、千葉県生まれ。得意ネタは初天神、粗忽の釘、笠碁、欠伸指南など。趣味は程をわきまえた飲酒、映画・芝居鑑賞、徒歩による散策、喫茶店めぐり、洗濯。この連載をまとめたエッセー集『いちのすけのまくら』『まくらが来りて笛を吹く』『まくらの森の満開の下』(朝日新聞出版)が絶賛発売中。ぜひ!

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