「エネルギーの地産地消」に「電力自給自足」も 電力は買わずに生み出す時代へ (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「エネルギーの地産地消」に「電力自給自足」も 電力は買わずに生み出す時代へ

松岡瑛理週刊朝日
鈴木俊太郎さん。ワークショップで活用する太陽光パネルとともに

鈴木俊太郎さん。ワークショップで活用する太陽光パネルとともに

鈴廣かまぼこの新社屋の屋根に取り付けられた太陽光発電パネル(上)と、執務スペース天井の光ダクト(ともに同社提供)

鈴廣かまぼこの新社屋の屋根に取り付けられた太陽光発電パネル(上)と、執務スペース天井の光ダクト(ともに同社提供)

日本の電源別発電量割合 (週刊朝日2020年12月4日号より)

日本の電源別発電量割合 (週刊朝日2020年12月4日号より)

 同社が省エネや再エネの活用に舵を切ったきっかけは、11年の東日本大震災だ。震災後、計画停電の行われる時間帯に合わせて工場の製造時間を見直さざるを得なくなった。同社副社長・鈴木悌介さんはこう振り返る。

「コンセントにプラグを差して料金を払えば、いくらでも電気が来ると思っていた。でも実際はエネルギー体制が脆弱だったことに気づきました」

 12年には、地元の中小企業とともに小田原市でメガソーラーを中核事業とした「ほうとくエネルギー株式会社」の立ち上げにも関わった。同社は県内の湘南電力(小田原市)に電気を卸している。屋根の太陽光パネルなどで自給する電力のほか、鈴廣に供給される電力は、すべて湘南電力との契約となった。

「原発のような仕組みは中央集権的で顔が見えない。地産地消かつ分散型のエネルギーに切り替えることで、顔の見える関係を地域に構築したい」(鈴木さん)

 目指すは「地域」の力を取り戻すことだという。

「例えば小田原市は人口20万人弱ですが、年間約300億円近い電力を使っていて、そのお金はこれまで市外に流れていた。その分の電力を自分たちで作れば、地域内で循環する資金が増え、経済の活性化につながります」(同)

 自分で使う電気は自分で作る──そんな着想のもと、「電力の自給自足」という課題に住民みずから取り組むのが、神奈川県相模原市旧藤野町地区(現相模原市緑区)の「藤野電力」だ。活動の柱は、ワークショップ。参加者は50ワットパネルやバッテリーなどの機材をもとに、ミニ太陽光発電システムを一から組み立てる。作った電力は、パソコン・スマートフォンの充電や扇風機などに使用できる。

 藤野電力は、同地域に展開する「トランジションタウン」というコミュニティー活動の一つ。英国発祥で、持続可能な社会環境への移行(トランジション)を目指す狙いからこの名がついた。同地区では他にも、地域通貨で住民の交流を促進する「よろづ屋」、農家が野菜を持ち寄る「ビオ市」といった活動がさかん。取り組みのユニークさが知られ、近年では地区外からの移住者も増加傾向にある。


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