“ベストの状態でなくても最大限の力を発揮する”には? 水泳・平井コーチの考え方 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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“ベストの状態でなくても最大限の力を発揮する”には? 水泳・平井コーチの考え方

連載「金メダルへのコーチング」

平井伯昌週刊朝日#平井伯昌
平井伯昌(ひらい・のりまさ)/競泳日本代表ヘッドコーチ、日本水泳連盟競泳委員長

平井伯昌(ひらい・のりまさ)/競泳日本代表ヘッドコーチ、日本水泳連盟競泳委員長

女子200メートルバタフライで1、2位に入り笑顔を見せる長谷川涼香(左)と清水咲子(11月10日、ブダペスト)=(c)ISL

女子200メートルバタフライで1、2位に入り笑顔を見せる長谷川涼香(左)と清水咲子(11月10日、ブダペスト)=(c)ISL

 指導した北島康介選手、萩野公介選手が、計五つの五輪金メダルを獲得している平井伯昌・競泳日本代表ヘッドコーチ。連載「金メダルへのコーチング」で選手を好成績へ導く、練習の裏側を明かす。第45回は「連戦で磨かれる選手の適応力」について。

【写真】女子200メートルバタフライで1、2位に入り笑顔を見せる長谷川涼香選手(左)と清水咲子選手

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 10月16日からハンガリー・ブダペストで開かれている競泳の国際リーグ(ISL=インターナショナル・スイミング・リーグ)は、11月10日に予選リーグが終わりました。10チーム中6位で準決勝に進んだ東京フロッグキングスは、予選リーグ4試合を通して力を十分に発揮して、いい泳ぎを続けてきました。

 短期間に多くのレースに出るので、疲労はたまってきます。ベストの状態ではなくても最大限の力を発揮するには、大会中にどんな練習をすればいいのか。五輪や世界選手権の戦い方にも通じるノウハウを、選手たちは実戦を通して学んでいます。私を含めたコーチ陣は、選手の状態を見極めながら、試合で力を出すための方策を考えます。

 青木玲緒樹(れおな)は4試合目の50メートル平泳ぎで短水路日本記録を0秒40更新する29秒57をマークしました。環境が変わると力を出し切れないところがあって、序盤戦はターンもよくなかった。足に疲れが出て陸上トレーニングも少し抑えていたのですが、3、4試合目は朝に軽いウェートトレーニングを取り入れて、そこから動きが変わりました。水泳の刺激よりも強めの刺激が入ったことで、疲れているけれど体が動き始めたのです。

 3試合目の50メートル平泳ぎで復調の兆しが見えたので、4試合目の初日は先に行われる200メートル平泳ぎを別の選手に代えて、青木はウォーミングアップから50メートルに集中しました。仲間に助言を受けていたターンも決めて、大幅に自己の日本記録を更新しました。

 萩野公介と大橋悠依は予選リーグ全4試合で400メートル個人メドレーを制しました。2人とも陸上トレーニングで多めの刺激を入れました。疲れたからといって普段やっている陸上トレーニングをおろそかにすると、長丁場の大会で体の切れがにぶってきます。大橋が3試合目の200メートル個人メドレーで自己の短水路日本記録を0秒05上回る2分5秒04を出すなど、連戦でも高いレベルの記録を維持できたことは、次のステップに向けた自信になるはずです。


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