講演する林真理子さん(撮影/松岡かすみ)
講演する林真理子さん(撮影/松岡かすみ)
「まるごと林真理子展」に展示されている週刊朝日連載「マリコのゲストコレクション」のコーナー(撮影/松岡かすみ)
「まるごと林真理子展」に展示されている週刊朝日連載「マリコのゲストコレクション」のコーナー(撮影/松岡かすみ)
イラストをモチーフにした限定メニュー(撮影/松岡かすみ)
イラストをモチーフにした限定メニュー(撮影/松岡かすみ)

「私自身、この展覧会で過去を振り返る旅をすることができました。こうして振り返ると、私は自分がやりたかった人生を小説で描いていたんだなと思います」

【写真】「まるごと林真理子展」に展示されている週刊朝日コーナー

 週刊朝日の連載「マリコのゲストコレクション」でもお馴染みの作家・林真理子さんの作品と業績をたどる展覧会「まるごと林真理子展」が、山梨県立文学館で開催中だ。同展の関連イベントとして、林さんは11月13日、「小説に描いた人々」と題した講演を行い、物語を紡ぐ過程や、小説の題材との出会い、登場人物に関するエピソードなどを1時間半にわたり語った。

「この歳でこんなに仕事をさせてもらえるのはありがたいこと。あと20年は書いていたいと思う」

 林さんの力強い言葉に、訪れた240人が大きな拍手を送った。

 9月にスタートして以来、連日来場者で賑わう。林さんの講演は、関連イベントとしてこれまで3回開催されたが、定員240人に対し、2500人を超える応募があるなど大盛況だ。

「落選者が相次いだことから、13日の講演は、急遽追加イベントとして行うことになりました」(山梨県立文学館学芸員)

 展覧会では、直木賞を受賞した「最終便に間に合えば」や、NHK大河ドラマの原作となった小説「西郷どん!」など数多くの直筆原稿をはじめ、幼少期の詩や作文、愛用のドレスや着物、公私にわたる写真の数々など、約150点にのぼる資料から、これまでの半生を振り返っている。スピード感あふれる直筆原稿の束がずらりと並び、圧巻だ。実家の書店「林書房」に関する資料や、母・みよ治さんの資料も多数。週刊朝日に連載している「マリコのゲストコレクション」も展示されている。

 併設のカフェでは、林さんが描いたイラストをモチーフにした展覧会限定メニューも楽しめる。展覧会は11月23日まで。読書の秋、林さんの小説世界を辿る展覧会に、ぜひ足を運んでは。
(本誌・松岡かすみ)

※週刊朝日オンライン限定記事

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松岡かすみ

松岡かすみ

松岡かすみ(まつおか・かすみ) 1986年、高知県生まれ。同志社大学文学部卒業。PR会社、宣伝会議を経て、2015年より「週刊朝日」編集部記者。2021年からフリーランス記者として、雑誌や書籍、ウェブメディアなどの分野で活動。

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