日本ハムの斎藤佑樹=昨年2月20日(C)朝日新聞社
日本ハムの斎藤佑樹=昨年2月20日(C)朝日新聞社

 プロ10年目で初の1軍登板なしに終わった日本ハム・斎藤佑樹投手が来季も現役続行が判明し、波紋を呼んでいる。

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 今季はイースタン・リーグで19試合に登板して1勝3敗、防御率9.31。右ひじ痛の悪化で靱(じん)帯再建術(通称トミー・ジョン手術)も検討された模様だが、実戦復帰に1年以上を要する。自身の血小板を患部に注入して回復を促す「PRP療法」を中心とした再生医療で患部を治療することが一部メディアで報じられたが、これも異例の状況だ。

 ある球団OBは驚きを隠せなかったという。「戦力外になる時は、成績が出ていない時もそうですが、肩、ひじの故障で時間がかかるパターンが多いです。32歳の斎藤は最近5年間で1勝しか挙げていません。今年も1軍で1試合も投げていない。その投手が右ひじの治療で時間がかかる。通例で考えれば戦力外になりますが、日本ハムは斎藤が万全の状態になれば1軍の戦力になると判断したのでしょう」

 斎藤の現役続行を判断した日本ハムの球団フロントに対して、ネット上では批判的な見方が多い。

「2軍でそこそこ結果残してもクビになる者もいるのに、なんで2軍ですら火ダルマの投手がクビにならない。ひじが良かった時だって通用していない」

「日ハムは何を期待している? みんな死ぬ気で頑張っても結果が出ないと首をきられるし……。なんでこんなに平等じゃないのだろうと思う。頑張って見返してほしいと思うけど、首をきられた選手を思うと腹立たしい」

 現在はコロナ禍のため、メディアは斎藤本人にも他の選手にも直接取材ができない。斎藤の現役続行を他の選手はどう思っているのだろうか。スポーツ紙の日本ハム担当記者はこう話す。

「ネット上では炎上していますが、斎藤がチーム内で特別浮いているわけではないですね。性格が良いので他の選手も普通に接しています。むしろ、2軍にいても常に注目されるので、若手の選手が『斎藤さんも大変ですよね』と話していた時がありました」

 リハビリを経て活躍する可能性が高いとは言えない。斎藤は「奇跡」を起こせるか。(梅宮昌宗)

※週刊朝日オンライン限定記事