和田秀樹さん(右)と林真理子さん (撮影/写真部・小黒冴夏)
和田秀樹さん(右)と林真理子さん (撮影/写真部・小黒冴夏)
和田秀樹 (撮影/写真部・小黒冴夏)
和田秀樹 (撮影/写真部・小黒冴夏)

 精神科医の和田秀樹さんが、作家・林真理子さんとの対談で日本の大学教育の問題やテレビに出なくなった裏話を語りました。

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【前編/コロナ対策で「自殺者も高齢者の死亡率も上がる」? 和田秀樹が指摘】より続く

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林:先生は、日本でいちばんダメなのは大学教育だとおっしゃってますね。

和田:はい。アメリカの大学は入試面接をけっこう重視するんだけど、ハーバードの場合は教授に面接させないんです。教授に面接させると、教授に忖度するような学生が入ってきて、学問が進歩しないから、ハーバードのAO入試は教授にケンカ売りそうな学生を採るんですよ。ところが日本は、入試面接をやって学生運動が一切なくなるぐらい教えやすい学生しか採らない。こんなんじゃ学問が進歩するはずがない。だから僕は入試面接に反対なんです。

林:今、AOと推薦が半分を超してるそうですね。だから高校時代も先生を怒らせちゃいけない。内申書が悪くなるから。

和田:そう。ペーパーテストの得点で内申書をつけてたんだけど、92、93年から観点別評価というのが始まって、ペーパーテスト学力は25%、意欲とか態度とか発表の仕方とかが最高75%になっちゃったから、ペーパーテストで満点取ったって「3」しかつかなかったりするんです。

林:昔こういう制度があったら、私も名門大学に入れたかな(笑)。「高校のときの作文がコンクールに入賞しました」とかアピールすれば。

和田:2020年の大学入試改革の本丸は東大とかいい大学の入試改革で、「ペーパーテストだけで採るな。面接とか学校の内申書も重視しろ」という答申が出てるんです。ところが、東京医大に文科省の官僚の息子が不正入学してからそこが少し頓挫して、かつ、女性が差別されていることがバレたので、文科省は「面接重視」を言いにくくなってるんです。

林:それであんまり言わなくなったんですね。話が変わりますが、先生、このごろあんまりテレビに出ないですね。

和田:僕みたいに異論を言う人を出さないようにしてるんだと思います。

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