×4 手数料の高いファンドラップ・投資信託


 投資信託や、ファンドラップを金融機関に強くおすすめされることも多いと思いますが、要注意です。彼らが力を入れてすすめる商品の共通点は、「手数料が高いこと」。

 手数料には、購入するときにかかる手数料と運用している期間中にかかる手数料がありますが、手数料2%以上なんていう商品もざらにあります。たとえ運用利回りが2%出たとしても手数料を2%以上取られていたら、元本割れしてしまいます。

 実際には1%を切るような手数料でよいパフォーマンスを出している商品もあります。投資信託を買うなら、営業マンの言うままではなく、必ず自分で調べ手数料をチェックして買ってください。

 また、毎月分配型の投資信託を好まれる方も多いのですが、資産を増やすという意味ではこれもおすすめしません。

 約束した配当を出すために運用で賄えなかった場合、元本を削って払い出していくものもあります。投資の基本は複利ですから、分配金を再投資するタイプのほうが理にかなっているのです。

×5 「外貨建て保険」など理解できない投資商品
「退職金」目当てに金融機関の人がおすすめしてくる商品の一つに「外貨建て保険」があります。

 これは「利回りがよく」て「元本保証」というのが謳い文句ですが、元本保証というのは、外貨建てでの話。為替相場次第で、日本円では元本割れしてしまうこともあるのです。しかし、これを知らずに大金をつぎ込んで困った人がたくさんいらっしゃいます。

 得しかない運用商品なんてこの世にありません。そのことを念頭において、わからないときには「この商品のリスクはなんですか?」と、納得いくまで聞くことが大事です。とにかく「理解できないものには、お金を出さないぞ!」という心構えで、退職金を運用してほしいと思います。

「つみたてNISA」や「iDeCo」は、毎月一定額の掛け金で投資商品を購入するドルコスト平均法で資産を増やしますので、一度に大金をつぎ込まなくて済む上、利益が出ても税金がかからないなどの優遇もあり、お得です。投資初心者の方は、まずはこちらから始めてみてはいかがでしょうか?

週刊朝日  2020年11月20日号