林:学校で何かイヤなことがあったんですか。いじめられたりとか。

中島:いじめというほどではないですけど、先生たちにちょっと腑に落ちないことを言われたりしたので、「行かないほうが迷惑にならないのかな。ほかの学校のほうが友達多いし、やめてそっちに通おうかな」と思って。

林:ああ、そういうことだったんですか。そこまで娘の人生に信頼を寄せる親ってなかなかいないと思いますよ。半狂乱になって子どもに「学校に行け!」とまくし立てて、ますます家に閉じこもっちゃう子がたくさんいます。

中島:親も大変だったとは思うんですけど、黙って見守ってくれたのはありがたかったですね。

林:いずれ東京に出ていこうと思っていたんですか。

中島:東京と明確に思っていたわけではなかったです。ただ、このまま鹿児島で一生過ごすわけじゃないだろうなと思ってました、漠然と。

林:鹿児島は生きづらかったんですか。

中島:いや、大好きですよ。今でもすごく仲のいい友達がいっぱいいるんですけど、狭いからつながっていくし、そういうのがすごく苦手ではあったんですよね。なんでかわからないけど、中学校のころからどこかで「この子たちとは18歳まで」と決めていて、18歳まで好きなことだけして一生懸命遊んでました。

林:私も、大河ドラマの原作の『西郷どん!』を書くために何度も鹿児島に行きましたけど、豚しゃぶ食べて、焼酎たくさん飲んで楽しかったなあ。鹿児島は食べ物もおいしいし、人もいいし、とてもいいところだと思うけど。

中島:いいところですよね。でも、出るだろうと思ったんですよね。だから友達と仲良くしても、あまり深入りしないようにしてました。

林:へぇ~。どういう女の子だったの? 「ちょっと変わってる」とか言われたり?

中島:変わってはないと思います。自由に生きてた気はしますけどね。ビジュアルとかも、カラコン(カラーコンタクト)して、髪の毛も好きな色に染めて。自分が好きなファッションを楽しんでました。

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