フレイル予防に大きく貢献する栄養。大事なのは「しっかり栄養が取れているか」を客観的に知ることだ。前出の吉田さんは、リハビリ専門病院で高齢患者に対して管理栄養士らと栄養サポートを行っている。食事について患者に尋ねると、「1日3食取っている」と言う人でも、米飯、みそ汁と漬物だけのことが多い。

「本人はしっかり食事を取っているつもりです。しかし、明らかに栄養が足りていません」

 では、どうしたら自分の栄養状態を調べられるのか。それが冒頭で紹介した「簡易栄養状態評価表」だ。「低栄養」なら赤信号。なるべく早く栄養指導を行っている医療機関や自治体の保健センターなどで相談を。「低栄養のおそれあり」なら黄信号。まずは自分でできる食事改善を試みる。「栄養状態良好」なら、今の食事を続けながら定期的に見直しを行う。

 簡易栄養状態評価表は無料アプリ「MNAプラス」でも公開されている。身長や体重、質問に対する回答を入力すれば、自動的に結果が判定され、栄養状態に沿ったアドバイスが受けられる。(本誌・山内リカ)

週刊朝日  2020年11月13日号より抜粋