今年のクライマックスシリーズ(CS)はファーストステージがなく、いきなりファイナルステージとなる。しかも例年なら1勝のアドバンテージを持った上での6試合制(4戦先勝)だが、今年は4試合制(3戦先勝)。1勝のアドバンテージの重みも違う。リーグ優勝から日本一へ、千賀、東浜を中心に投手陣もここから調整に専念できる。2位争いが最後までもつれるようなら、2位球団との疲労度の違いも追い風となるだろう。

 チームの好循環は、ドラフト指名にも表れていた。ソフトバンクの本指名のドラフト1位から5位までは、すべて高校生だった。即戦力の選手を獲る必要がないほど、戦力が充実しているからできる。

 今年はセ・リーグから巨人が日本シリーズに出てくることになる。だが、ソフトバンクが日本シリーズに進出した場合、戦力的にも有利となるだろう。しかも、巨人は東京ドームが使えないため、京セラドーム大阪を本拠地にして戦う。昨年は4勝0敗と巨人を圧倒したソフトバンクだが、今年はどうか。現場スタッフは大変だろうが、最後まで力を発揮してもらいたい。

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝

週刊朝日  2020年11月13日号

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東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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