政治家は票、一部の文化人たちは商売のために敵と味方をわけることで、自分の応援団を固めるという利点がある。しかし、その他の多くの人にとって、レッテル貼りの分断はまったく意味があるとは思えない。

 もう馬鹿なことはやめて、レッテル貼りではなく、問題の本質を考えよう。おなじ時代、おなじ国で、生きていくのに困っている仲間がいる。怖いけど、為政者にみんなで文句をいい、弱者に対して税金を使って欲しいと声をあげよう。それは自分への保険にもなる。

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

週刊朝日  2020年11月13日号

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室井佑月

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室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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