ヤクルトの山田哲人(左)=6月20日(C)朝日新聞社
ヤクルトの山田哲人(左)=6月20日(C)朝日新聞社
中日の大野雄大=7月10日(C)朝日新聞社
中日の大野雄大=7月10日(C)朝日新聞社
DeNAの梶谷隆幸=10月29日(C)朝日新聞社
DeNAの梶谷隆幸=10月29日(C)朝日新聞社

 ソフトバンク巨人がリーグ優勝を決めた。ソフトバンクはシーズン終盤の12連勝で、食らいつくロッテを一気に突き放して3年ぶりのリーグ制覇。巨人は独走で危なげなく2連覇を飾ったが、通過点に過ぎないだろう。

 巨人は昨年、日本シリーズでソフトバンクに屈辱の4連敗。原辰徳監督は10月30日のヤクルト戦(東京ドーム)後に行われた優勝インタビューで言葉に力を込めた。

「きたる日本シリーズにおいて、たぶん、まあ、どっかのチームでしょう。そのチームと正々堂々と戦って、日本一になることを祈願してあいさつに代えたいと思います」

 セ・リーグは今年、クライマックスシリーズ(CS)が開催されないため、巨人が自動的に日本シリーズに出場するが、パ・リーグはソフトバンクと2位のチームがCSで対戦して勝ち上がったチームが進出する。ただ、ソフトバンクの絶対的有利は変わらないだろう。原監督は「どっかのチーム」と言及は避けたものの、ソフトバンクへの雪辱に燃えていることは間違いない。

 そんな巨人で注目されるのがオフのフリーエージェント(FA)戦略だ。実は最近になって球界関係者の中でこのような話が出回っている。

「巨人がヤクルト・山田哲人の獲得に動かないという情報が駆け巡っています。今年は度重なる故障で不本意な成績であること、ポジションが重なる二塁の吉川尚輝が奮闘していることなど色々な理由はありますが、巨人と山田は相思相愛と思われていたので驚きました。山田にはソフトバンク、楽天も獲得を検討していると言われています。もちろん、ヤクルトに残留する可能性も十分にあります」

 巨人が獲得に動く可能性が高いとみられるのが、中日のエース・大野雄大だ。今年は10勝6敗、防御率1.91でリーグ断トツトップの10完投をマーク。2位の西勇輝が4完投、3位の巨人・菅野智之が3完投であることを考えると、大野の完投能力が際立つ。巨人の先発ローテーションは決して盤石ではない。スタミナ抜群で安定感も菅野に引けを取らない左腕はのどから手が出るほど欲しいだろう。

 一つの球団がFAで獲得できる選手は2枠(Cランクの選手は除く)。巨人が山田の獲得に動かないとすると、興味を示している「もう1人のFA選手」は誰だろうか。前述の球団関係者は明かす。

「DeNAの梶谷隆幸です。近年は故障で苦しんでいましたが、今年はリードオフマンとして復活。3割3分近い高打率で首位打者を狙える位置につけ、19本塁打、14盗塁と走攻守そろっています。巨人は右翼、左翼を固定できなかったため補強ポイントです。梶谷は中堅で主にプレーしていますが、右翼もずっと守っていたので問題ありません」

 もちろん、DeNAも梶谷の慰留に全力を注ぐだろう。大野、山田、梶谷――。FA権を行使すれば複数球団による争奪戦は必至の3選手の動向が注目される。=記録は10月30日現在(中町圭佑)

※週刊朝日オンライン限定記事