おなじことが、来年の東京五輪にもいえる。世界中でコロナが収まらない中、政府は五輪を決行するといいはる。マスコミを巻き込んで大宣伝すれば、それがあたしたちにウケると思っている。

 あたしたちのウケ狙いで政府がしかけてくることは、あたしたちのためになっているんだろうか。5年先、10年先のことに繋(つな)がっているのか。思いつきでウケようとするが、それには血税がたんまり使われている。

 毎日、毎日、辛い日も頑張って働いて納めたあたしたちの税金が使われている。

週刊朝日  2020年11月6日号

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室井佑月

室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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