3日のオフ懇に出席しなかったのは、東京新聞、朝日新聞、京都新聞。これらの会社は、「会食ではなく会見を」といっている。これも当たり前の話だ。

 それから2日後の5日、菅首相は記者会見ではなく、「グループ・インタビュー」という珍妙なものを行う。選ばれた社が代表して菅首相に質問をする。ほかの社はその音声を聞いているだけ。事前に知らされていたのだろう、首相はただ答えを読んでいるだけに見えた。どうしてこれを許しておくのか。

 ルモンド紙のいうように今、知の世界は戦争をしかけられているのかもしれない。どんな戦争も、あたしたちはただ被害を受ける。

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

週刊朝日  2020年10月30日号

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室井佑月

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室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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