岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、神奈川県鎌倉市の「いい座布団だニャン」です。

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 江ノ島電鉄を望む満福寺は、讒言(ざんげん)を受けた源義経が、兄・頼朝に和解の手紙である腰越状(こしごえじょう)を書いた寺として知られている。

 仏殿の前で眠るのは、生後2カ月のむぎ(グレー)とぷくたろう(台の上)。ほんの少し前まで、角房(すみふさ=座布団の端に垂れる糸)に夢中でじゃれていたのに、実に子猫らしい。

 撮影後、お礼を言いに寺務所へ行くと、モニターが並んでいた。「楽しませていただきました」とご住職が優しく微笑む。義経だけでなく、猫も僕たちも見守られている寺だった。

デジタル岩合
http://www.digitaliwago.com/

週刊朝日  2020年10月23日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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