売るに売れない親の家…「空き家」を守る3つの基本 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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売るに売れない親の家…「空き家」を守る3つの基本

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大崎百紀週刊朝日
2016年に東京都内で起きた空き家の火災の様子  (c)朝日新聞社

2016年に東京都内で起きた空き家の火災の様子  (c)朝日新聞社

「空き家に見せない3つの秘策」 (週刊朝日2020年10月23日号より)

「空き家に見せない3つの秘策」 (週刊朝日2020年10月23日号より)

「空き家を守る3つの基本」 (週刊朝日2020年10月23日号より)

「空き家を守る3つの基本」 (週刊朝日2020年10月23日号より)

 空き家はある日、生まれる。実家の親が介護施設に入居したり、亡くなったりした場合、同居家族がいなければ、そのまま家は空く。湿気に害虫に雑草にゴミ、空き巣や放火などのリスクから思い出の詰まった家を守るにはどうしたらいいのか。専門家らに取材して考えてみた。

【空き家に見せない3つの秘策はこちら】

 4年前に両親を相次いで亡くした東京都在住のサワコさん(仮名・52歳)。千葉県内の実家をこれからどうするか、4歳年上の兄とことあるごとに話している。築50年の一軒家。広い庭には桜の木や沈丁花、金木犀など、香り豊かな植物が並ぶ。

「園芸が趣味だった父が専業主婦だった母を楽しませたくて、四季折々花が咲く植物をキッチンの窓から見えるように植えていたんだね」

 片付け中、植物に込められた父の思いに兄が初めて気が付いた。

「父は亡くなる直前まで植えていました。ブルーベリーの木です。家を売るということはこの木々を全部引っこ抜くということなんだなと。この前までここに親が住んでいた。根こそぎすべて捨てるなんて、身が引きちぎられる思いです」

 しんみりとサワコさんが話す。今は兄が家の名義人となり、神奈川県内の自宅から毎週車で1時間半かけて、風通しや庭の手入れなどのために実家に足を運んでいる。手をかければかけるほど愛着がわき、最近はブドウの木を植えた。しかし、建物の傷みは激しく、雨戸はガタガタ、台所の床は抜け落ちそうで、石造の外壁も崩れて通行人に危害を加える心配がある。敷地内にゴミが投げ入れられていたこともある。

「ゴミが放置されると空き家だとわかるようで、さらに投げ入れられてしまう。外灯や室内も一部電気をつけっぱなしにしていますが、漏電火災の不安も付きまといます。空き家は何をしていても怖いんです」(サワコさん)

 維持費もばかにならない。固定資産税、水道光熱費の支払いに加え、年1回の樹木の手入れ代10万円がかかる。空き家1年目には200万円かけて屋根の修理も行った。賃貸も考えたが、老朽化した家を人に貸すには大掛かりなリフォームが必要と知り断念。二人は5年をめどに何らかの結論を出そうと考えている。

 サワコさんのように、「売るに売れない」空き家の管理や活用に悩む人は数多く存在する。こうした悩みの相談窓口を持つ「NPO法人空家・空地管理センター」代表理事の上田真一さんは、6年ほど前に対応した事例を次のように振り返る。


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