【昭和な名店】名物「たらこスパゲティ」はキャビアから…「壁の穴」秘話 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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【昭和な名店】名物「たらこスパゲティ」はキャビアから…「壁の穴」秘話

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沖村かなみ週刊朝日#グルメ#昭和な名店
「たらこと漬けいくら、おろし大根のスパゲッティ」(1570円)はバター風味のたらこが絡む麺に漬けいくらをあわせた日+E1445:H1446が好む味。キノコや釜揚げしらすを使った、たらこスパゲッティも提供。左は「帆立貝柱とじゃこの大根サラダ」(1100円)。税別 (撮影/写真部・加藤夏子)

「たらこと漬けいくら、おろし大根のスパゲッティ」(1570円)はバター風味のたらこが絡む麺に漬けいくらをあわせた日+E1445:H1446が好む味。キノコや釜揚げしらすを使った、たらこスパゲッティも提供。左は「帆立貝柱とじゃこの大根サラダ」(1100円)。税別 (撮影/写真部・加藤夏子)

1993年に宇田川町から道玄坂に移転。半地下の店内は昭和の香りが漂う (撮影/写真部・加藤夏子)

1993年に宇田川町から道玄坂に移転。半地下の店内は昭和の香りが漂う (撮影/写真部・加藤夏子)

この店からいくらや納豆などを使った和風スパゲッティが生まれ、広まった (撮影/写真部・加藤夏子)

この店からいくらや納豆などを使った和風スパゲッティが生まれ、広まった (撮影/写真部・加藤夏子)

 今もまだ残る古き良き店を訪ねる連載「昭和な名店」。今回は渋谷の「壁の穴」。

【写真】1993年に宇田川町から道玄坂に移転。半地下の店内は昭和の香りが漂う

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 和風スパゲッティの元祖として知られる「壁の穴」。創業者の成松孝安氏は戦後、CIA東京支局長の執事を務めた異色の経歴を持つ。要人を招いた食事会でサービスを行うなか、海外の食文化を深く知るようになった。

 成松氏は退職後の1953年、東京・田村町(現・西新橋)にスパゲッティ専門店「Hole in the Wall」を開く。現総料理長の柳田慎一さんは「当時、東京でスパゲッティを出す店は数軒だけでした。しかも麺をゆで置きせず、ゆでたて麺を提供する店は珍しく、外国人客たちに人気を得たようです」と話す。

 ビルの工事に伴い一時店を閉じるも63年に渋谷区宇田川町で「壁の穴」として復活。日本人の味覚に合うスパゲッティを研究するようになった。化学調味料に頼らず「昆布の粉」でうまみを出すことを発見し、現在もすべてのスパゲッティの隠し味に使われている。

 またお客のリクエストに応えて次々と新作メニューが誕生した。たらこスパゲッティもそのひとつ。ある男性客が持ち込んだキャビアでスパゲッティを作ったところ大いに喜ばれ、これをヒントにたらこでメニューを考案。半世紀以上経ったいまも看板メニューとして愛され続けている。

(取材・文/沖村かなみ)

「壁の穴 渋谷道玄坂小路本店」東京都渋谷区道玄坂2‐25‐17カスミビル1F/営業時間:平日11:30~22:00L.O.(土日祝は11:00~)/定休日:年末年始のみ

週刊朝日  2020年10月23日号


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