――遺書については、どうでしょうか。

張:実は日本人の自殺者の統計を見ると、遺書を残しているのは3割にすぎません。遺書を書いているということは、自殺をするリスクがとても高いといえますが、かといって、残していなければ安心というわけではありません。

――最後に。最初に話がありましたが、コロナ禍の今、多くの人が不安を感じている。うつ病予備軍であるともいえます。

張:とかく「死」について語るのはタブー視されがちですが、今だからこそ家族と、友だちと話し合ってほしい。その上で、お互いに支え合う存在であることを確かめ合うことが大事だと思います。

(聞き手/本誌 山内リカ)