症状のある人の状態によっては看病が必要なケースもある。そのときは、接触して看病する人を限定する。とくに高齢者や基礎疾患を有する人、妊娠中の女性には看病させないことが重要だ。

 症状のある人のケアにあたるときは、少なくともマスクを着用する。症状のある人がマスクを着用できない状態の場合には、マスクに加えてフェースシールドの使用も有効だ。ただ、症状のある人がマスクを着用できるなら、フェースシールドは不要だ。こまめに手洗いをすれば、ケアするごとに使い捨て手袋をする必要もないという。

 普段から、「もし家庭内に感染者が出たら」を想定して、マスクなどの感染防護具やアルコールなどの消毒液を常備しておくことが望ましい。家族に症状が出てから慌てないように準備が肝要だ。

 アルコールなどの消毒液が手に入らない場合の代用品としては台所用合成洗剤がおすすめだ。なお、基本的に、症状のある人の部屋の清掃は、なるべく本人に任せるのがよい。

 高齢者が気をつけたい感染症は、新型コロナウイルスだけではない。季節性のインフルエンザやノロウイルスなども含めた感染症対策を考えておくことも大切だ。

「季節性インフルエンザやノロウイルスは高齢者や家族に感染が起こり、その媒介者となりうる感染症です。一度発生すると家族間に感染が広がる恐れがあるので注意が必要です」(同)

(ライター・石川美香子)

週刊朝日  2020年10月16日号より抜粋