居住する地域において新型コロナウイルスが発生している状況でなければ、訪問者を家に招くことも可能だ。だが、訪問時に玄関先でアルコール(濃度70%以上95%以下のエタノール)による手指衛生をお願いし、少しでも発熱や咳などの症状があれば訪問を中止してもらう。

 新型コロナウイルスが、「地域で流行している状況」(下記)では、訪問者と玄関先で面会し、家には入れないことをすすめている。

■新型コロナウイルスが「地域で流行している状況」とは?
□居住する都道府県もしくは市町村が、地域における流行を宣言している
□居住する市町村において、どこで感染したかわからない患者が複数認められている

「ただし、体力の衰えた高齢者であっても、近所を散歩する程度の外出は問題なく、外で人と会うこともかまいません。外出先で人と会う場合はお互いにマスクを着用し、帰宅時の手指衛生を心がけます。高齢者をスーパーなど人の集まる場所には立ち入らせず、できるだけ公共物には触らせないよう注意しましょう」(高山医師)

 地域で新型コロナウイルスが発生または流行している状況では、高齢者による不要不急の医療機関の受診は避ける必要があるという。医療機関には、多数の感染者が受診していることが考えられるためだ。どうしても受診する必要があるときは、医療機関によっては、発熱や咳などの症状がある患者と接触しないように空間的もしくは時間的に患者を分離する工夫をしていることがあるため、あらかじめ電話をかけるなどして受診方法を確認するとよい。

 受診にあたっては、サージカルマスクを着用する。受診前や受診後、および院内の公共物に触れたあとは、アルコール消毒や手洗いなどによる手指衛生を心がける。

「慢性疾患の状態によっては、地域において新型コロナウイルスの流行時期に医療機関を受診しないで済むように長期処方を求めることや、オンライン診療を活用しましょう。電話による診療でファクス等による処方箋発行が受けられることがあります。かかりつけ医に相談してください」(同)

(ライター・石川美香子)

週刊朝日  2020年10月16日号