また、作家で山口組系元暴力団組長の竹垣悟氏はこう話す。

「銃撃という行動は許し難い。だが、ヤクザ世界としては、スジを通したと金容疑者を評価する声が多く聞かれます」

 六代目山口組と神戸山口組の抗争が続いている最中、六代目山口組と絆會という新たな抗争が加わったことになる。長野県警は金容疑者を現場まで送迎した、運転手だった男から事件翌日から事情を聞いているという。

 だが、事件の詳細や金容疑者の行方については黙秘している。前出の山之内氏はこう危惧する声もある。

「ヒットマンとして一度、犯行に及ぶと、今は最低でも20年近く刑務所に行かねばなりません。それなら、いっそうのこと第二、第三と次のターゲットを狙うことも考えられる」

 犯行翌日、暴力団関係者の間ではSNSを通じて金容疑者が「六代目山口組の最高幹部を狙って潜伏しているようだ。その幹部がダメなら、別の幹部への報復に動くのではないのか」という情報が駆け巡った。

「暴力団の抗争が一般市民に飛び火しないのか心配だ」(前出の捜査関係者)

 金容疑者は2017年4月、絆會の前身、任侠山口組発足の際、記者会見で「普段から団結が大事、和が大事や、助け合い」と語っていた。前出の竹垣氏はこう話す。

「金澤若頭をよく知る人に聞けば、ケジメをつけるために自首するような性格と言っていた。ヤクザとしての意地は十分みせつけたので、早く出頭してほしい」
(本誌取材班)

※週刊朝日オンライン限定記事