投開票日まで1カ月という時点での感染発覚で、崖っぷちに。だが、税金逃れなど数々の疑惑をかけられているトランプ氏は大統領の座に固執している。そこで、当選に向けて“最後の手段”を使うのではないかと危惧されている。前出の春名氏は言う。

「トランプ氏は、郵便投票が不正につながるとして、自らの支持者に『投票所に行き、注意深く監視を』と呼びかけています。これは有権者に対する脅しで、投票率が下がる可能性があります」

 6月には郵政公社の総裁にトランプ氏の支援者が就任し、郵便を仕分けする機械の稼働時間を減らした。

「経費削減で投函した票が投票日までに届くか不安視されています。米国では今、公正な選挙ができるかわからない状況なのです」(春名氏)

 コロナはトランプ氏を襲ったが、米国の民主主義も危機的状況だ。(本誌・西岡千史)

週刊朝日  2020年10月16日号