また、アンケートで前作と今作のどちらが好きかと尋ねると、7割近くが今作を選んだ。今作が好きな理由として次のような声があった。

<半沢と大和田の共闘には胸が熱くなった。黒崎らも加わり、巨大な悪に立ち向かう姿は何度見てもかっこいい>

<顔芸や名セリフ、今回の方が明らかに狙っている感じで、盛り過ぎ、やり過ぎなんだけど、それでも面白い>

<敵だった人が仲間になって少年ジャンプみたい。アベンジャーズ状態>

 しかし、吉田さんは、前作が好きだと言う。

「半沢の生い立ちを含め、町工場の人たちとのドラマがあり、金と人とのしがらみが描かれていました。一方、今作はスケールが大きくなり過ぎていました。敵が政府になり、一行員の半沢がそこまで行くのか、という絵空事に近づいてしまっていたと思います」

 そのほか、前作支持派にはこんな意見もあった。

<前作のほうが最初からラスボスが明確で、半沢の倍返し劇がわかりやすかった。今回はアドリブの力押し感が否めない気がする>

<前作は、ハラハラドキドキする中、花(上戸彩)と直樹の場面が出てくるとほっこりさせられた。この場面が今作は少なくなって少し残念>

 アンケートでは好きなセリフも聞いた。1位は、大和田が半沢に対して首を切るような身ぶりで放った「お、し、ま、い……DEATH!」だった。54票が入った。

「前作からの『倍返し』よりも日常で使いしやすく、キャッチ―な言葉。メッセージの語尾に『~DEATH!』をつけるのがはやりました(笑)」(吉田さん)

 前出の三杉さんも言う。

「香川さん演じる大和田はアンチヒーローなのに憎めないところがある。『お、し、ま、い……DEATH!』や『死んでも嫌だねーー!!』は、とっぴなセリフなのに、香川さんが演じると子供っぽくチャーミングになる。癖は強いですが、他の人が言うと浮いてしまうセリフをモノにするところが優れていると思います」

 2位は「やられたら、やり返す。倍返しだ!」(51票)、3位は「大事なのは感謝と恩返しだ」(50票)、4位は「やられたら、やり返す!倍……いや、3人まとめて……1000倍返しだぁ!」(22票)、5位は「死んでも嫌だね――!!」(17票)だった。

 さあ、いよいよ最終回。お、し、ま、い……DEATH!(本誌・岩下明日香)

※週刊朝日オンライン限定記事