同居家族以外との対面や、電話、メールなどの非対面のコミュニケーションが週1回未満の社会的孤立傾向と、外出が1日1回未満の閉じこもり傾向が重なった場合、6年後の死亡率が、両方の傾向に当てはまらない人に比べて2.2倍高くなった。

 藤原さんによると、シニアの社会参加活動は、おおよそ「就労」「ボランティア活動」「趣味・稽古」「友人・近所づきあい」「通所サービス」に分けられる。継続的な社会活動を通じて、健康を維持するためには、責任と報酬が発生する「就労」活動が有効だという。

「ボランティアやサークル活動ですと、コロナ禍だから休みましょうとなりますが、仕事となれば習慣的に社会参加が日常生活に組み込まれます。シルバー人材センターに登録すれば自宅近くや屋外での3密を避けたシニアの就労の場も見つかります」

 例えば、NPO法人シニア大樂(だいがく)は、航空会社や旅行会社、ホテルなど、さまざまな職業を経験したシニアを全国の自治体などに講師として派遣している。現役時代に培ったキャリアを生かしてもらうという狙いだ。理事長の藤井敬三さんは言う。

「コロナで3月から講演会の依頼はすべてキャンセルになりましたが、9月に入ってから徐々に依頼が戻ってきました」

 コロナ禍でも人生100年時代を元気に過ごすために、自分だけのひとり時間を見つけてみよう。(本誌・永井貴子)

週刊朝日  2020年9月25日号より抜粋