菅氏が小此木彦三郎元建設相の秘書をしている頃、真理子夫人を連れて、「結婚するから」と紹介されたという。

「菅君は夫人を『まりこ』と呼んでいました。まりちゃんは、秋田の実家で、菅家の一員として染まんなきゃいけないと、お姉さんたちと一緒に炊事や掃除をして、一生懸命でしたね。お父さんからも『まりこ』と呼ばれてかわいがられていましたよ」

 菅夫妻は新婚ホヤホヤの頃、寺田氏が所有する物件の、和室2間のアパートに住んだ。そこで、子供が生まれ、2年くらいすると、部屋が手狭となり、横浜市西区のマンションに引っ越して行った。

「引っ越し先のマンションでも、まりちゃんに呼ばれ、亭主の代わりに日曜大工を頼まれましたね。菅君は、秘書時代も、横浜市議時代も、人よりも努力していて、うちにいなかったからね。辛いことも、東北の根性で耐え抜いたんだと思います。それを支えたまりちゃんも偉いと思います。報われて良かった」

 新首相夫妻として、これから真価が問われる。

(本誌・上田耕司)

※週刊朝日オンライン限定記事

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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