でも僕、台本を読んだとき、シンプルにラブストーリーだなと思ったんですよ。相手のセクシュアリティーは今まで演じてきた役と違いますが。恭一は相手の性別に対する戸惑いや世間体から「自分はそんなはずはない」とか「でも付き合ってるわけじゃない」と、いいわけをしながら自分を引き止めている。でも心が揺れ動いてるのは確かで。そこは僕も想像しやすいですし、あんまり難しい役だと感じるところはなかったですね。撮影も頭から順番に撮っていく感じだったんです。恭一も様々な経験をしながら今ヶ瀬との関係性ができあがっていくので、僕も自然と演じることができましたね。多分、そういうところは監督も考えてスケジュールを組んでくださったのかなと。

──大倉さんご自身は、世間体を気にするほう?

 問題によりますけどね。もし恭一みたいな立場になったとき自分がどうなるかは、もう体験してみないとわからない。ただ、恭一と同じように、今までは女性と付き合ったことしかなかったけど……という人の話も聞くので、そういったこともあるんだろうな、とは思います。恋愛に限らずですが、葛藤があるほどしんどいけど、自己の成長にはつながるなと思いますね。

(構成・大道絵里子)

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週刊朝日  2020年9月18日号より抜粋